こんにちは。ELVESACT沖浜です。
「円形脱毛症があるのですが縮毛矯正はできますか?」
実はこのご相談は決して珍しくありません。
円形脱毛症になると、
- 美容室へ行くのが不安
- 薬剤が悪影響を与えないか心配
- 髪がさらに抜けてしまうのではないか
というお気持ちになる方が多くいらっしゃいます。
私はこれまで数多くのお客様の縮毛矯正を担当してきましたが、円形脱毛症のお客様も何人も施術してきました。
その経験からお伝えすると、
円形脱毛症があること自体は、縮毛矯正の絶対的な禁忌(施術してはいけない状態)ではありません。
ただし、「どのような円形脱毛症なのか」を見極めることが非常に重要です。
円形脱毛症とは何が起きている病気なのか
円形脱毛症は、自己免疫疾患の一つと考えられています。
本来、体を守る免疫細胞(主にTリンパ球)が、何らかのきっかけで成長期の毛包(毛根を包む組織)を異物と誤認識し攻撃してしまいます。
この免疫反応によって毛母細胞の働きが一時的に停止し、毛髪が途中で成長できなくなることで脱毛が起こります。
重要なのは、
縮毛矯正が作用する部位と、円形脱毛症が起きている部位は異なるということです。
縮毛矯正が作用するのは「毛幹」
縮毛矯正は髪の内部に存在するケラチンタンパク質のシスチン結合(ジスルフィド結合)を還元剤で一度切断し、アイロンの熱で形状を整えた後、酸化剤で再結合させる施術です。
つまり作用するのは、
**頭皮ではなく毛幹(すでに生えている髪)**です。
一方で円形脱毛症は、
毛包や毛母細胞など皮膚内部で起こる免疫反応です。
このため、縮毛矯正が円形脱毛症そのものを治したり悪化させたりするという医学的根拠は現在のところ報告されていません。
では、なぜ施術を断られることがあるのか
ここが非常に重要です。
縮毛矯正そのものが問題なのではなく、
頭皮の状態
が問題になります。
例えば、
炎症がある場合
赤みや湿疹、びらん、強いかゆみがある場合は薬剤刺激によって症状が悪化する可能性があります。
アルカリ剤や還元剤は健常な頭皮でも刺激となることがあります。
炎症がある状態では施術は延期するべきでしょう。
活動期の円形脱毛症
皮膚科では
- pull test(毛髪牽引試験)
で簡単に髪が抜ける活動期があります。
この時期は毛包が非常に不安定なため、
アイロン操作やブラシテンションによる物理的刺激も最小限にする必要があります。
ステロイド外用中
ステロイドローションを使用している方も多くいらっしゃいます。
皮膚が薄くなっている場合もあるため、
薬剤を頭皮へ付着させない高度な塗布技術が必要になります。
美容師が見るべきポイント
ELVESACTでは施術前に
- 脱毛範囲
- 炎症の有無
- 発症時期
- 治療状況
- 内服薬・外用薬
- 毛髪のダメージレベル
を確認させていただきます。
縮毛矯正は薬剤選定だけではありません。
アイロン温度
テンション
スライス幅
プレス圧
これらすべてが頭皮への負担を左右します。
特に脱毛部周辺ではテンションを通常より弱めに設定し、
毛包への負担を極力減らすよう意識しています。
縮毛矯正で円形脱毛症は悪化する?
現在の医学文献では、
縮毛矯正が円形脱毛症を直接悪化させるという明確なエビデンスはありません。
一方で、
強い薬剤刺激
過度な熱
強い牽引
これらによる
物理的・化学的刺激は頭皮トラブルを誘発する可能性があります。
つまり、
施術の可否ではなく、
どのように施術するか
が重要になります。

私たち美容師ができること
円形脱毛症は美容師が治せる病気ではありません。
治療は皮膚科の先生の役割です。
しかし美容師には、
毎日の生活を少しでも前向きにするお手伝いができます。
実際に私のお客様でも、
「くせ毛がおさまったことで脱毛部分が目立ちにくくなった」
「毎朝のスタイリング時間が短くなった」
「人前に出ることへの不安が減った」
というお声をいただくことがあります。
縮毛矯正は見た目を整える施術ですが、
その先には生活の質(QOL)の向上という大きな価値があります。

ELVESACTの考え
私たちは円形脱毛症だからという理由だけで施術をお断りすることはありません。
しかし、
「施術できるか」よりも「安全に施術できるか」を最優先に考えています。
頭皮の状態を確認し、必要であれば皮膚科での診察を優先していただくこともあります。
そのうえで、一人ひとりの髪と頭皮に合わせた薬剤選定と施術方法をご提案させていただきます。

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